その『夜間頻尿』・『尿漏れ』、漢方で何とかなるかも!?
突然ですが、皆さんはおしっこに関するお悩みを感じたことはありますか?
例えば 頻尿、夜間頻尿、おねしょ、尿漏れ、排尿困難、残尿感、尿に勢いがない、などなど・・・
おしっこに関するトラブルは沢山あります。それらの中でも特にご相談が多いのが、夜間頻尿 と 尿漏れ です。
【夜間頻尿について】
通常、睡眠中は 膀胱の容量が増加(1,5 〜 2 倍)し、尿量が昼間の 60 % 程度に減少 するため、あまりトイレに行かずにすむようになります。夜に1回程度なら問題ありませんが、2回以上 なら夜間頻尿の黄色信号。
要因は、以下の4つが考えられます。
① 過活動膀胱
加齢や精神的ストレスのほか、溜まった尿量を感知する膀胱センサーが過敏になっている場合や、
自律神経が乱れている場合などがあります。夜間頻尿に加えて尿意の切迫感を感じることも。
出産で骨盤底筋が弱るなど、比較的女性に多いです。
② 前立腺肥大
尿道への出口が前立腺によって閉塞されるので、尿の扉の開閉が上手くできなくなります。
尿の勢いも弱くなり、残尿感を感じる方もいます。60 歳過ぎの男性に多くみられます。
③ 睡眠障害
抗利尿ホルモンが減少するため、トイレの回数も尿量も増えます。また、交感神経が興奮気味に。
④ 夜間の多飲
アルコールは抗利尿ホルモンを抑制するため、トイレの回数も尿量も増えます。
ちなみに・・・『夜間頻尿には八味丸』なんてコマーシャルもありますが、これは半分正解で半分ハズレ。なぜなら、『腎が弱い』には2パターンあり、
★ 腎の 潤い力 不足⇒ほてり、のぼせ、尿は黄色、寝汗、舌先が赤い
★ 腎の 温め力 不足⇒体が冷える、尿が透明、舌の色が淡い
という特徴があります。八味丸は『腎の 温め力 不足』のタイプに適した漢方なので、『潤い力不足』の方に使うと、症状が悪化することもあるんです。どうぞご注意を!
オススメ養生〜夜のウォーキングのススメ〜
加齢や慢性心不全、高血圧、糖尿病の方などは、日中に足へ水が溜まってむくみやすい方も多いです。そんな方が夜にお布団で横になると、足に滞留した水が心臓方向へ集まってきます。夜の前半にトイレへ行きたくなるのはこのタイプ。
そんな方にはこれからの時期、夜のウォーキングもオススメです。ウォーキングによる足からの刺激で下半身に滞留していた水分が腹部へ戻り、就寝前に尿として排泄されます。その結果、就寝中に尿意を感じることも少なくなるのですね。実はこの方法、父が主治医からアドバイスを受けて実践し、かなり効果的だった方法なんです。これからの時期は寒さや雪の心配がありませんので、交通安全と防犯に注意しつつ、夜のウォーキングを日課にするのも良いかと思います。
【尿漏れ・尿失禁】
尿漏れのタイプも、大きく分けて4種類あります。
★ 腹圧性尿失禁・・・重い荷物を持ち上げたり、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう。
★ 切迫性尿失禁・・・急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう。
★ 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁・・・自分で尿を出したいのに出せない。でも少しずつ漏れてしまう。
★ 機能性尿失禁・・・排尿機能は正常でも、身体機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁。
オススメ養生〜逆腹式呼吸のススメ〜
尿漏れ対策に効果的なのが、『逆腹式呼吸』です。
①3秒で鼻から息を吸う。このとき、ヘソ下をぐーっと引っ込めるイメージ。肛門もグッと締める。
②3秒、息を止めてキープ。
③ゆっくり息を吐きながら脱力。(お腹も肛門も緩める)
これを繰り返します。椅子に座った状態でもできますが、仰向けに寝て両膝を立てて行うとやりやすいです。夜、お布団に入って眠りにつく前のタイミングでも良いですね。
【中医学の治療方針】
頻尿も尿漏れも、中医学の側からみると治療方針は以下の3つです。
★脾胃(消化器系)を元気にする(良質な『気』を作る)
★腎を元気にする!(腎気を増やして、『持ち上げる』『キュッと締める!』チカラをつける)
★気の滞り(ストレス)を流す!(ストレスがある場合)
中医学では、頻尿も尿漏れも腎気(腎のエネルギー)が弱り、尿の蛇口の開け締めがきっちりできない状態ととらえます。(ストレスの有無も要素のひとつ!)
また、胃腸が弱いと頻尿・尿もれになりやすい傾向もあります。なぜなら、胃腸は『気』の製造工場。ここで作られた『気』が、内蔵を持ち上げてくれます。ところが、胃腸が弱って気が不足してくると、内蔵を支えきれなくなって落ちてきます。つまり・・・あらゆるものが、たるんできます!(顔も、内臓も同じ。(-_-;))このたるみが膀胱に影響すると、尿漏れや頻尿が悪化してしまいます!胃腸の健康が、本当に大事なのです。
漢方でも様々なアプローチがありますので、お悩みの方は一度ご相談くださいね。